ファクタリング業者が逮捕されました。今回はファクタリング業者逮捕のニュース内容と違法なファクタリング業者の見分け方を解説します。

ファクタリング業者逮捕のニュース

大阪府警が2017年1月25日に東京都中野区の貸金業「東洋商事」代表取締役、三浦和仁(36)「MINORI」代表取締役、前田賢一(32)の両容疑者、計8人を貸金業法違反(無登録営業)容疑で逮捕した。

と発表しました。

ファクタリングを装ったヤミ金融業者の摘発は全国初で、違法な高金利で全国250社に3億円以上を融資していたとされています。

逮捕の理由と違法業者の見分け方

無登録のファクタリング業者だから、逮捕されたわけではない!

そもそも、ファクタリングは貸金業法の制限を受けません。(少なくとも2017年現時点では)貸金業法の制限を受けないということは「無登録か?貸金業者として登録しているか?」は問題にならないのです。

ファクタリング = 売掛債権の譲渡 ≠ 貸金

という状況になっています。

逆に言えば、ほとんどの優良なファクタリング業者も無登録業者なのです。ここは勘違いしてはいけない部分です。

今回、逮捕されたファクタリング業者は

ファクタリングではなく、売掛債権担保融資を違法な高金利で無登録業者が行っていたから逮捕されたのです。

「ファクタリングしますよ。」と宣伝しながら、「買取はできないけど、売掛債権担保で融資ならできるよ。」と勧誘していたのだと推察されます。当然ですが売掛債権担保融資は貸金であり、貸金業に則って規制されるものです。

ファクタリングを隠れ蓑にした「違法金利での融資」が違法であり、逮捕された理由になったのです。

違法なファクタリング業者を見極めるための注意点

「売掛債権譲渡(ファクタリング)を実行してくれるのか?どうか?」をチェックしましょう。

今回の逮捕劇は「ファクタリングをせずに違法金利で売掛債権担保融資をした。」ということです。

売掛債権譲渡(ファクタリング)であれば、売掛債権を売って、入金された売掛金を支払って終わりです。その後の取り立てなどはファクタリングの仕組み上発生しないのです。

売掛債権譲渡(ファクタリング)を実行できるのであれば問題ないのです。

売掛債権譲渡(ファクタリング)を申込んだのに売掛債権担保融資を持ちかけてくる業者はきっぱり断りましょう。

今後は貸金業法が見直される可能性もある

前述した通りで

ファクタリング(売掛債権の譲渡)は貸金業法では明確な規定がされていません。

貸金業法第2条(定義)

この法律において「貸金業」とは、金銭の貸付け又は金銭の貸借の媒介(手形の割引、売渡担保その他これらに類する方法によつてする金銭の交付又は当該方法によつてする金銭の授受の媒介を含む。以下これらを総称して単に「貸付け」という。)で業として行うものをいう。

とされていて、解釈によって売掛債権譲渡(ファクタリング)が入るのか?入らないのか?明確ではありません。

ファクタリングに似た性質の「手形割引」についても、判例がバラバラなのです。

大阪高判昭和38年4月11日(最判昭和40年11月2日判時433号30頁の原審)

「手形割引の基本的性格は割引依頼人から満期未到来の手形上の権利の譲渡を受け、その代価として満期日までの利息その他の費用すなわち割引料を差し引いた金額(それは当該手形の現在の評価額に相当する。割引料は値引きではない。)を支払う、手形の売買であつて、手形貸付、すなわち借主が片務的に金銭消費貸借上の債務を負い、その債務の履行確保ないし担保のために手形が交付されるのとは、法律上全く性質効果を異にする別個のものである。」

→ 「手形割引は貸金じゃないよ。」という判例

(東京地判平成2年5月14日判時1388号64頁)

「割引手形の客観的な価値よりも、割引依頼人たる原告の信用に重きを置き、これへの責任追及をも考慮した取引と考えられるので、これを金銭消費貸借と認めるのが相当である。」

→ 「手形割引は貸金だよ。」という判例

このような貸金業法での規制がグレーな部分があるからこそ、ファクタリングを隠れ蓑にした闇金業者というのが生まれてしまうのです。

今回のファクタリング業者の逮捕を受けて、今後「貸金業法」が見直される可能性も高いのではないでしょうか。

まとめ

ファクタリングは売掛債権の譲渡ですので、現時点では貸金業法に違反するものではありません。しかしながら、今回の逮捕ではファクタリングで勧誘しながらも、実際に行っていたのは違法金利の売掛債権担保融資なのです。

ファクタリング業者にファクタリングを依頼したのにも関わらず、売掛債権担保融資を提示された場合はきっぱりと断わることが重要です。