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売掛債権とは、どういうものを言うのでしょうか?今回は売掛債権について解説します。
売掛債権とは
掛取引とは
BtoBのビジネス取引では、現金払いや前払いといった支払方法がとられることはあまりなく、基本的には「掛取引」が前提となっています。
一般的な掛取引の流れ
- 納入会社:商品やサービスを納品(納品書の発行)
- クライアント:検収(問題ないことの確認。受領書の発行)
- 納入会社:請求書を発行
- クライアント:請求書に基づいて支払い
という流れでほとんどのBtoBの取引は行われます。お互いの会社を信用して取引をするため「信用取引」とも言われます。現金取引よりも「掛取引」の方が資金繰りが楽になるので、日本では「掛取引」が一般的な取引方法となっているのです。
商品やサービスの納品後、後日代金決済が行われる取引を「掛取引」と言います。
売掛債権とは
この「掛取引」で、先に商品やサービスを納品した企業がその代金をクライアントから支払われる権利のことを「売掛債権(売上債権・受取勘定)」というのです。
先に商品やサービスを納品した企業が後日受け取れる代金のことを「売掛金」と言います。
売掛債権は、すぐに入金が見込める債権ですから「流動資産」として会計上処理されます。
売掛債権は60日以内に現金化される!?
商品やサービスを納品をしてから、売掛金が入金されるまでの期間というのは、請求書などに支払期限として明記されることが多いのですが、実は法律は存在しません。
会社同士の取引ですので、お互いが同意すれば半年でも、1年でも良いのです。
しかし、中小企業庁では「下請代金支払遅延等防止法」の中で
役務の提供を受けた日から60日以内で、かつ出来る限り短い期間内
と定めています。
ほとんどの企業では、
- 月末締め月末払い
- 月末締め翌月末払い
と30日~60日後に売掛金の入金をする企業が多いようです。
これ以上支払いを長期にしたい場合には「受取手形」が利用されます。
売掛債権と受取手形の違い
受取手形とは
将来の特定日に銀行でお金と交換してくれる証券のことです。手形を振り出すためには、銀行で当座預金を開設する必要があります。
手形を受け取る企業にとっては、銀行が「今からヶ月後の○月○日に○○万円支払います。」ということを約束してくれるものと言ってもいいでしょう。
手形を振り出す企業にとっては、売掛債権よりも長く支払いを遅らせることができます。
大きな違いは
- 売掛債権は信用取引
- 手形取引は法律に基づいた取引
という点です。
売掛債権の場合は、企業間の信用に基づく取引ですから、極端に言えば支払わなくても、法律で明記された罰則というのはありません。(対外的な信用の失墜、継続的な取引の停止、損害賠償請求などのダメージはあります。)
しかし、手形取引(受取手形)は、手形法という法律によって定められた取引です。手形は銀行が振り出すため、手形通りに支払いが行われない場合、銀行との取引が停止されます。(企業が銀行取引を停止されれば、企業活動ができないような状態に追い込まれてしまいます。)
手形取引は事実上の倒産に追い込まれる重たい取引なのです。支払いを受ける企業としては、支払いの確実性の高いものと言えます。
売掛債権を使った資金調達方法
売掛債権買取(ファクタリング)
売掛債権を現金で買い取る資金調達方法のことです。売掛債権は譲渡してしまうので賃貸対照表などにも、残りません。
売掛債権担保ローン
売掛債権を担保に融資を受けるローンのことです。売掛債権はあくまでも担保ですので、ローン返済後は戻ってきます。ローン返済が滞った場合、売掛債権が売却され返済に充てられます。
まとめ
売掛債権は、BtoBの取引をする企業であれば、必ずと言っていいほど保有している債権になります。最近では、ファクタリングや売掛債権担保ローンなど、売掛債権を活用した資金調達が注目されているのです。