ファクタリングでは売掛債権の掛目というものが存在します。今回はファクタリングにおける売掛債権の掛目について解説します。

掛目とは?

銀行やノンバンクが担保を評価する際の融資額を決定するときの割合のこと。

担保掛目とも呼ばれます。

例えば、不動産担保ローンで不動産担保の評価額が1000万円と判断されても、銀行は1000万円丸ごと貸してくれるわけではありません。不動産の場合、価格変動で価値が下落するリスク、売れないリスクなどがあるので、担保評価額100%の融資ができないのです。不動産担保の場合、掛目は70%が相場ですので、1000万円の担保評価でも融資されるのは700万円が限度額になります。

このリスクを加味して融資できる金額を計算するときの割合が「掛目」なのです。

掛目は、担保によって異なります。

担保の種類は

  • 預貯金:100%
  • 国債:95%
  • 有価証券:90%
  • 債権担保:80%
  • 不動産担保:70%
  • 動産担保:70%
    ・・・

となっていて、確実に回収が見込める「預貯金」などは100%預金額がそのまま融資可能額になります。売却がしにくい、不動産担保や動産担保は低めの掛目が設定されているのです。

ファクタリング利用時の掛目は何%?

一般的に70%~100%とかなり幅があります。

掛目は

  • 回収リスクが大きければ → 掛目は小さい
  • 回収リスクが小さければ → 掛目は大きい。100%に近づく

ことになります。

ファクタリングと一言で言っても

  • 2社間ファクタリング or 3社間ファクタリング
  • 中小企業の売掛債権 or 上場企業の売掛債権
  • ファクタリング会社の規模小さい or ファクタリング会社の規模大きい

など、利用するファクタリング契約の方法や売掛先の信用力によって、回収リスクが大きく変動してしまうのです。

そのため、ファクタリングの中でも、掛目は70%~100%と幅がある中で設定されていて、相場は下記のようになっています。

ファクタリング掛目比較表

対抗要件承諾通知登記
方法売掛先の承諾売掛先へ通知法務局へ登記
手続き売掛先から「承諾書」をもらい、公証人役場で確定日付をもらう。売掛先に「通知書」を内容証明郵便で送付する。法務局で債権譲渡登記の手続きをする。
法人
個人事業主×
2社間ファクタリング
3社間ファクタリング
一般企業80%75%70%
上場企業90%85%80%
一部上場企業、官公庁100%95%90%
  • 一部上場企業、官公庁の売掛債権で承諾書を売掛先に書いてもらえる3社間ファクタリングであれば、掛目100%
  • 2社間ファクタリングで中小企業の売掛債権の場合、掛目70%

と違いが出てくるのです。

上記はあくまでも相場ですので、ファクタリング会社によって設定する掛目は異なります。

掛目とファクタリング手数料の計算

ファクタリングの手数料とは?手数料を徹底解説

まとめ

ファクタリングでも、売掛債権の担保価値を全額評価してくれるファクタリング会社もあれば、前述した相場通りで掛目を除いた分しか買い取れないファクタリング会社もあります。不明点がある場合には申し込みをしたファクタリング会社に確認しましょう。