ファクタリングによる資金調達をするデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか?今回はファクタリングによる資金調達のデメリットについて解説します。
1.ファクタリング手数料が高い
最大のデメリットはファクタリング手数料が割高であるということです。
2社間ファクタリングの場合、ファクタリング手数料の相場は20%です。
500万円の売掛債権がある場合には、400万円しか手元に戻ってこない計算になります。
それでも、早期の資金化が必要というケースがあるので、一概にこれが高いと言うわけではありませんが・・・
貸金業法での上限金利は年率18.0%ですから
- ビジネスローン、不動産担保ローン:1年間の金利の上限が18.0%
と比較すると
- ファクタリング:1ヶ月~2ヶ月 手数料が20.0%
ということは、年率換算にすれば、かなり高い手数料設定となってしまうのです。
3社間ファクタリングの場合は5%程度のファクタリング手数料のため、それほど高くない印象ですが、2社間ファクタリングは割高な手数料設定であることに注意が必要です。
現時点では、ファクタリングは融資の一種になっていないため、貸金業法の対象ではなく、上限金利という概念が用いられないのです。
2.3社間ファクタリングでは取引先に知られるリスクがある
3社間ファクタリングの場合は、売掛先、つまりはクライアントへ「売掛債権を譲渡するので、ファクタリング会社に入金してください。」という通知をする形になります。
欧米であれば、ファクタリングというのは売掛債権回収のアウトソーシングという形ですので、通知をしても「わかりました。」的な事務的な処理で終わるのですが、日本の商慣習の中では、ファクタリングという資金調達方法が採用されはじめたのはごく最近であり、手形による取引が主流だったのです。
そのため、「売掛債権を譲渡するので、ファクタリング会社に入金してください。」という連絡を取引先の担当者が受け取った場合に
「あれっ、この会社資金繰りがやばいんじゃないの?今後の付き合いを見直さないと急に倒産されたら困る。」
と勘繰られてしまうリスクもかなり高い確率で存在しているのです。
3社間ファクタリングであれば、売掛先から直接ファクタリング会社に入金があるので、ファクタリング会社のリスクも少なく、ファクタリング手数料もかなり安くなるのですが、それでも2社間ファクタリングを選ぶ中小企業が多いのはこのリスクがあるからなのです。
今後、ファクタリングという資金調達の方法が浸透してくれば改善されるとお思いますが、現時点では取引先、クライアントに売掛債権の譲渡を知られてしまう、またその結果今後の取引の継続に黄色信号がともるというデメリットがあります。
3.ファクタリング会社の信頼性の判断が難しい
ビジネスローンの場合は、ノンバンクであっても、関東財務局長・東京都知事等の貸金業者としての登録が必要になります。
免許がなければ金融サービスの提供ができないため、免許の更新回数を見れば中小規模のノンバンクであっても、一定の信頼性は担保されるのです。
一方で、ファクタリングというサービスは「売掛債権を譲渡(購入)する」サービスであり、現時点では免許登録の必要性がありません。つまり、「信頼できる会社化どうか?」の判断が難しいというデメリットがあるのです。
大手企業の子会社でファクタリングサービスを提供している会社もあるのですが、3社間ファクタリングが中心であり、2社間ファクタリングはサービス提供していないところが多いのです。
これもファクタリングのデメリットと言えます。
まとめ
ファクタリングのデメリットとは
- ファクタリング手数料がローンの金利よりも割高であること
- 3社間ファクタリングの場合は売掛先に債権譲渡を通知する必要があること
- ファクタリング会社の信頼性の判断が難しい
というものがあります。
一番大きいのは「ファクタリング手数料が高い」という点です。審査が通りやすい、BSにキズがつかないというメリットもあるので、メリットとのバランスを見て、ファクタリングサービスの利用を検討することをおすすめします。