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ファクタリングを利用するもう一つのメリットとして「資産のオフバランス化」というものがあります。今回は「資産のオフバランス化」について解説します。
「資産のオフバランス化」とは?
「資産のオフバランス化」とは
賃貸対照表(BS)に記載される資産を「資産の部」から外すこと
を意味しています。
会計上問題ない方法で資産の部から外すのです。結果として賃貸対照表(BS)の総資産額が減少することになります。
なぜ、総資産額を減らす必要があるのか?
総資産額が減ると
- 総資産利益率(ROA)が上がります。
- 自己資本比率も上がります。
今よりも、少ない資産で同じ利益を上げていることになるため、経営効率が上がったことになるのです。
経営効率が上がったといっても、見せかけの数値じゃないの?
確かに経営の実態は変わらないのでそう思われる方も多いのですが
上場企業であれば
経営指標が良くなれば → 株価上昇 → 企業価値の上昇
につながります。
未上場企業であれば
経営指標が良くなれば → 銀行やノンバンクからの信用力の評価の上昇(借りやすくなる)
のです。
「資産のオフバランス化」を行って、見せかけでも経営指標を改善することができれば、対外的な信用力が上がり、それが資金繰りの改善、資金調達の強化につながると言えます。
ファクタリングを利用するとなぜ「資産のオフバランス化」ができるのか?
1000万円の売掛金がある会社が資金繰りに500万円必要で銀行から500万円を借り、銀行振込みをしてもらった場合
賃貸対照表(BS)では
「資産の部」
流動資産:売掛金 1000万円
流動資産:預金 500万円
「負債の部」「総資産の部」
流動負債:短期借入金 500万円
利益剰余金:1000万円
総資産額:1500万円
利益:300万円 → ROA 20%
という状態になります。
1000万円の売掛金の500万円分をファクタリングで譲渡して、銀行振込みをしてもらった場合
(簡易的な説明ですのでファクタリング手数料は外して考えます。)
「資産の部」
流動資産:売掛金 500万円
流動資産:預金 500万円
「負債の部」「総資産の部」
流動負債:短期借入金 500万円
利益剰余金:500万円
総資産額:1000万円
利益:300万円 → ROA 30%
という状態になります。
同じ500万円の資金調達が必要な場合、銀行から融資を受けるのとでは、資産総額が変わってくることが分かります。資産総額が変わって、利益が同じであれば総資産利益率(ROA)も改善するのです。
中小企業は今後の融資のしやすさも踏まえてファクタリングを利用すべき
前述した通りで、総資産利益率(ROA)や自己資本比率が良くなれば、銀行やノンバンクの評価も高くなります。
中小企業にとっては、銀行からの融資が資金調達の第一の選択肢ですので、融資枠を広げてもらうためにも、融資審査に通るためにも、経営指標は良くしておくべきなのです。
その方法の一つとして、売掛債権が十分にあるのであれば、融資を受ける資金調達方法を選択するのではなく、ファクタリングを利用して、「資産のオフバランス化」を計るのも一つの方法なのです。当然、ファクタリング手数料が高すぎれば、利益率にも影響を及ぼすので一概には言えませんが、選択肢のひとつとして検討してみることをおすすめします。