desltop128_128ファクタリングを利用する上で知っておくべき言葉のひとつに「債権譲渡登記」というものがあります。ファクタリングの債権譲渡登記とは一体何を意味するものでしょうか?ファクタリングの債権譲渡登記について解説します。

債権譲渡登記とは

登記(とうき)とは

登記とは、法に定められた一定の事柄を帳簿や台帳に記載すること

債権譲渡登記とは

ファクタリングで、法務局(登記所)に備える登記簿(債権譲渡登記ファイル)に売掛債権が譲渡されたことを記録すること

を意味します。
法人経営者であれば、当然ご存じなのは「法人登記」です。「会社を設立したよ。」というのを公開して、第三者に対する権利を主張するいことを意味します。

同じように不動産を持っていれば「不動産登記」によって、その不動産の持ち主が誰で、抵当権にはどの金融機関が入っているのか?などを第三者が知ることができるのです。

債権譲渡登記は

「債権が譲渡されたよ。」ということを法的に証明するための仕組み

と考えて良いでしょう。

ファクタリング会社は、債権譲渡登記を行うことで、売掛債権の買取ができるのです。

なぜ、ファクタリングに債権譲渡登記が必要なの?

例えば

債権譲渡登記がなければ、ファクタリング利用会社が売掛債権を売却するという契約をA社、B社、C社と同時に話をして、一つの売掛債権に対して、3社からお金を受け取っていたらどうでしょうか?

A社、B社、C社は「自分が買い取った売掛債権だ」と主張することになります。

しかし、これを法的に証明する手段がなければ、誰も「自分が買い取った売掛債権だ」と主張することもできなくなってしまうのです。

ファクタリング会社は「債権譲渡登記」をすることで、第三者に対して「これは自分が●月●日に先に買い取った債権だよ。権利は自分にある!」ということを証明することができるのです。これを「債権譲渡登記によって第三者対抗要件を持つ」と表現します。

ファクタリング会社は「債権譲渡登記」が設定できなければ、「他のファクタリング会社に売られてしまっている売掛債権かもしれない。」というリスクが出てしまうので、ファクタリングの契約を行わないのです。これは2社間ファクタリングでも、3社間ファクタリングでも同じです。

ファクタリング利用会社から見る債権譲渡登記をするデメリット

情報は公開されてしまう。売掛先(取引先)に知られるデメリット

法人登記や不動産登記と同じように債権譲渡登記も、法務局(登記所)に登録するもので、公開される情報です。

売掛債権が譲渡されたことが法務局(登記所)に売掛先(取引先)が行けばばれてしまう可能性があるのです。2社間ファクタリングでも、売掛先(取引先)に知られてしまうリスクがあります。

ただし、ほとんどの企業では用もないのに法務局(登記所)に行って、債権譲渡登記を調べる暇な人はいません。債権譲渡登記をしたからと言って連絡が行くわけではないため、売掛先(取引先)に知られるリスクはほとんどないと考えて良いでしょう。

情報は公開されてしまう。金融機関に知られるデメリット

前述した通りで、用もないのに法務局(登記所)に行って、債権譲渡登記を調べる企業はありません。しかし、大口の銀行融資などを銀行に依頼していた場合には、銀行は融資審査を行います。

登記を確認する用ができてしまうのです。売掛債権の譲渡をしたということがわかれば、理由によっては融資審査のマイナス材料になってしまうのです。

債権譲渡登記をしないファクタリングはないの?

3社間ファクタリングの場合、売掛先(取引先)から債権譲渡通知への承諾をもらうことで対応可能

3社間ファクタリングであれば、売掛先(取引先)が債権譲渡に同意をしていて、異議無き承諾をもらえれば、売掛先(取引先)が直接ファクタリング会社に入金することになるため、その以前に第三者に売掛債権を売却されるという悪用があったとしても、関係ありません。売掛先(取引先)から債権譲渡通知への承諾をもらうことで、債権譲渡登記なしでのファクタリングが実行できるのです。

内容証明郵便での通知

2社間ファクタリングでも、銀行融資を控えていて「債権譲渡登記はやめてほしい。」というケースでは、内容証明郵便での通知によって、法的な対抗要件を確保する方法もあります。

決算内容がすごく良い場合には留保してもらえるケースもある

ファクタリング会社次第ですが、決算内容が十分に良い場合には、債権譲渡登記をしない(留保)してくれるケースもゼロではありません。

売掛債権の2重譲渡をすると困るのはファクタリングの利用会社

ファクタリングというのは、本来、売掛先(取引先)の債権譲渡通知への同意を持って完了する金融サービスです。

しかし、売掛先(取引先)に知られると日本ではマイナスのイメージがついてしまい、今後の事業継続に支障がでてしまうため、売掛先(取引先)に通知をしない2社間ファクタリングが一般的になっているのです。

2社間ファクタリングの問題点というのは、売掛先(取引先)に通知しないために、売掛債権の2重譲渡ができてしまうことなのです。

これを防ぐためにファクタリング会社は「債権譲渡登記」を行うのです。

仮に債権譲渡登記をしないで、売掛債権の2重譲渡がファクタリング会社に発覚してしまった場合は、売掛先(取引先)に債権譲渡通知が言ってしまいます。

「この売掛債権は弊社(ファクタリング会社)が買取りましたので、他の会社に支払わないでください。」

という通知をファクタリング会社が売掛先(取引先)にせざるを得ない状況となってしまうのです。

これでは、ファクタリングの利用会社の方が困ってしまうことになります。売掛債権の2重譲渡などは絶対にしてはいけないのです。

まとめ

原則、2社間ファクタリングの場合は「債権譲渡登記」が必要

ということを覚えておきましょう。

金融機関による融資が控えている場合には「他の方法が取れないか?」ファクタリング会社に相談してみることをおすすめします。