doctor3128_128ファクタリングと同時に中小企業の資金調達方法となっているビジネスローン(事業者ローン、商工ローン、法人カードローン)とファクタリングのメリットデメリットを比較しました。

ファクタリングとビジネスローンのメリットデメリット比較

比較項目ファクタリングビジネスローン/事業者ローン
資金調達可能額売掛債権の金額の範囲内
月の売上の範囲内
最高1000万円程度
担保不要
売掛債権が必要
不要
保証人不要第三者保証人不要
金利・手数料手数料負担
高い
資金調達額の5%~25%
(期間30日~45日)
金利負担
普通
資金調達額の10%~15%
(期間1年)
返済期間30日~45日最高10年
返済回数1回最高120回
審査基準売掛先の信用
(収益・財務状況・他社借入)
取引実績
利用する会社の信用
(収益・財務状況・他社借入)
審査スピード最短即日最短即日
審査不可城乾債務超過・税金未納でも審査次第で利用可能債務超過、税金未納・税金滞納は審査は通らない
信用情報への掲載掲載されない掲載される
今後の融資利用への影響ないある

ファクタリングとビジネスローンの大きな違い

コストはビジネスローンの方が安い!

ビジネスローンの場合は、利息制限法の上限の金利だとしても、年率15.0%です。

100万円の借入であれば、1年間で15万円の利息を支払えれば良いのです。

一方でファクタリングの場合は、ファクタリング手数料が相場は20.0%です。

100万円の売掛債権を譲渡する場合には20%の20万円が引かれて、80万円が入金されます。

これだけ見ると5%分の違いしかないように見えますが、ファクタリングというのは30日~45日後には入金される予定のお金ですから、1年間借りて15.0%のビジネスローンと比較すると、借入期間に対するコストという意味では、ファクタリングの方がかなり高いことになるのです。

資金調達コストという意味ではビジネスローンの方が有利なのです。

ファクタリングの方が審査が甘い!

「審査が甘い」というと語弊があるのですが、審査の対象が異なるのです。

ビジネスローンや銀行融資であれば、当然「お金を借りる会社」が審査対象になります。

決算内容、信用情報、他社借入、直近の返済履歴などが審査され、融資の可否が決定されます。

一方で、ファクタリングの場合は「ファクタリングを利用する会社」よりも、「売掛債権の売掛先企業」が主に審査対象となります。

「ファクタリングを利用する会社」が審査されないわけではありませんが、実際にお金を支払うのは「売掛債権の売掛先企業」ですので、重要視されるのは「売掛債権の売掛先企業」の信用度なのです。

売掛債権の売掛先企業の算内容、信用情報、他社借入、直近の返済履歴などが審査され、融資の可否が決定されます。

中小企業、零細企業、個人事業主の場合は、自社が審査対象になるビジネスローンよりも、取引先が審査対象になるファクタリングの方が審査が通りやすいのは言うまでもないのです。

債務超過、赤字決算、税金未納、返済遅延利益あり、他社借入が多すぎる・・・という状況でビジネスローン審査に通らない中小企業、零細企業、個人事業主の方の選択肢として、ファクタリングは重宝されているという側面もあるのです。

今後の融資への影響が違う

ビジネスローンを利用した場合は、借入ですので、賃貸対照表(BS)にも負の資産として計上することになります。

法人信用情報機関にも登録され、帝国データバンクや東京商工リサーチなどの民間調査会社のデータにも掲載される可能性があります。

借入が増えるということは、その後の銀行融資やビジネスローン審査にもマイナスの影響があるということです。

一方で、ファクタリングは融資ではありません。そのため、ファクタリングで売掛債権を譲渡したとしても、賃貸対照表(BS)に載せる必要もありませんし、信用情報機関に登録される可能性もありません。

ファクタリングの利用期間中は債権譲渡登記をする必要があるので、その間は融資に対してマイナスの影響がある可能性はゼロではありませんが、ファクタリング会社への売掛金の入金が完了した後は、ファクタリングの利用によって、その後の融資にマイナスの影響はないのです。

まとめ

ビジネスローン

  • コストが安い
  • 審査が厳しい
  • 今後の融資に影響あり

ファクタリング

  • コストが高い
  • 審査が甘い
  • 今後の融資に影響なし

という特徴があります。

一概にどちらが良いというものではありません。会社の財務状況や必要とする資金調達の状態、売掛債権の有無など、色々な側面から、どちらの資金調達方法を選ぶべきなのか?検討する必要があるのです。