man128_128ファクタリングは売掛債権の譲渡ですが、実は資金調達での売掛債権の活用というのは、経済産業省も注目している資金調達方法なのです。「中小企業における資金調達の課題 」という経済産業委員会のレポートを紹介しながら、売掛債権の活用の重要性を解説します。

「中小企業における資金調達の課題」経済産業委員会レポートの要約

中小企業の資金繰りは大企業と比較して厳しい

資金調達方法の大企業・中小企業比較

このグラフを見てわかる通り、大企業と比較して、中小企業は借入金の割合が40.7%と4割を超えています。大企業は23.5%ですから、およそ2倍も借入金に頼る割合が高いのです。

大企業は上場して投資家から資本金として資金調達をすることも可能ですし、社債を発行しても投資家の買い手がつくからです。借り入れに頼らなくても資金調達ができるのです。

一方で、中小企業は上場はできませんし、投資家から上場せずに資本金を集めることもよほど有望なベンチャーでなければ難しいのが現状です。社債発行にもコストがかかりますし、まず買い手がつきません。となれば、選択肢として「借り入れ」を選ぶしかなくなってしまうのです。

しかし、銀行や金融機関は中小企業10社に1000万円を融資するよりも、大企業に1億円融資した方が、貸し倒れリスクも少ないですし、審査コストも少なく済みます。結果として中小企業は高金利で借りざるを得ないため、資金繰りに苦しむ構図ができてしまうのです。

売掛債権担保が活用されていない!

バランスシート構成の大企業・中小企業比較

バランスシート構全企業構成比中小企業構成比
現金預金140.4兆円14.9%85.7兆円20.2%
受取手形31兆円3.3%15.4兆円3.6%
売掛債権201兆円21.4%75.6兆円17.8%
在庫(棚卸資産)107.5兆円11.4%46.9兆円11.0%
有価証券13.5兆円1.4%5.1兆円1.2%
土地164.3兆円17.5%86.9兆円20.5%
その他建物機械設備等283.6兆円30.1%109.3兆円25.7%
合計941.3兆円100.0%424.9兆円100.0%

バランスシートを見ると、中小企業の保有している不動産の割合は土地20.5%、建物25.7%、現金預金20.2%でその次におおいのが 売掛債権17.8%です。

しかし、一方で中小企業向けの融資の担保構成を見てみると

中小企業向けの融資の担保構成

不動産担保による融資が85.7%、債権担保による融資が0.6%と圧倒的に不動産担保に依存している現状があるのです。

経済産業省も、このミスマッチがあるため企業は保有している担保を有効活用できておらず、中小企業の資金繰りの苦しさにつながっていると考えているのです。

だからこそ「売掛債権担保の活用」が必要だと考えているのです。

売掛債権担保の活用というのは

  1. 売掛債権担保融資(売掛債権担保ローン)
  2. ファクタリング(売掛債権譲渡)

が含まれます。

「売掛債権担保の活用」が進まない理由

経済産業省のレポートでは理由が2つ提示されています。

  1. 契約の中で債権譲渡禁止特約が存在していること
  2. 売掛債権を担保に資金調達することに対する風評被害があること

です。

今だ日本の商慣習では「売掛債権を担保にしたり、譲渡するということは、その会社の資金繰りが行き詰っていて、倒産寸前なのではないか?」と売掛先が見なしてしまうリスクがあるということです。

経済産業省のレポートでは

「売掛債権を活用した資金調達が正当な資金調達手段であることの周知徹底が必要である。 」

とまとめています。

この懸念は今現在も払しょくされていないのが現状ですが、ファクタリングを利用する中小企業が増えているのは、2社間ファクタリングを活用すれば、売掛先の通知が必要ない為、このリスクを回避することができるからにほかならないのです。

今後、法整備が整ってくれば、ファクタリングサービスに大手企業が参入したり、ファクタリング手数料が下がる可能性もあります。

保有している売掛債権を売掛先への通知なしに、資金化できるファクタリングサービスは今後も注目の資金調達方法と言えます。