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ファクタリングによる資金調達でも審査が必要になります。今回はファクタリングを利用するときの審査について解説します。
ファクタリング審査とビジネスローン・銀行融資の審査の違い
大きな違いは
- 銀行プロパー融資/ビジネスローン → 借りる会社の信用が審査される
- ファクタリング → 売掛先の信用が審査される
という大きな違いがあります。
ファクタリング会社にとってみれば、売掛債権の譲渡金を渡すファクタリング利用会社よりも、買取った売掛債権の売掛金を支払ってくれる売掛先の信用の方が重要だからです。
だからこそ、銀行プロパー融資/ビジネスローン審査に落ちた会社でも、ファクタリングなら審査に通るということが少なくないのです。
とはいえ、2社間ファクタリングの場合は、売掛先からファクタリング利用会社を経由してファクタリング会社に入金するため、ファクタリング利用会社の経営者の誠実さや信用なども審査の要件に入ってきます。
審査基準その1.売掛先の信用
「売掛先の信用」というのが売掛債権の譲渡に当たっては最重要な項目となります。
ファクタリング会社にとってみれば、売掛先が倒産してしまえば買取った金額分損をしてしまうことになります。また、売掛先がお金を入金しないなどのトラブルが発生するケースでも、大きな損失を生んでしまうからです。
「売掛先の信用」はどんなものがあるかというと
- 帝国データバンクや東京商工リサーチなどの信用情報の点数
- 法人信用情報
- ファクタリング利用会社と売掛先の取引期間の長さ
- 利益額・利益率・フリーキャッシュフロー
- 借入件数
- 借入の返済履歴
- 自己資本比率
・・・
などがあります。
「売掛金の入金を確実にしてくれる会社かどうか?」が審査されるのです。
審査基準その2.入金までの日数
売掛債権を譲渡してお金を受け取るのがファクタリングですが、「売掛債権の譲渡金を支払ってから、売掛金が入金されるまでの期間」が短ければ短いほど、ファクタリング会社にとってはリスクが小さいことを意味します。
「売掛債権の譲渡金を支払ってから、売掛金が入金されるまでの期間」が短ければ短いほどファクタリング審査は通りやすいのです。
- 譲渡金の支払から売掛金の入金までの期間が短い
- 申込から売掛金の入金までの期間が短い
ことが重要になります。
審査基準その3.ファクタリング利用会社の信用
本来、3社間ファクタリングであれば、ファクタリング会社は売掛先から直接入金されるので、ファクタリング利用会社の信用というのは重要ではありません。
しかし、日本では2社間ファクタリングがメインとなってきます。2社間ファクタリングの場合は
売掛先 → ファクタリング利用会社 → ファクタリング会社
という流れで資金が入金されるため
ファクタリング利用会社の経営状態が著しく悪いと
- ファクタリング利用会社に入金された直後にファクタリング利用会社が倒産してしまう
というようなリスクも発生します。
これを回避するためには、ファクタリング利用会社の信用力もファクタリング審査の要件となってくるのです。
ファクタリング利用会社の信用力は
- ファクタリング資金の使途
- 資金繰りの状態
- フリーキャッシュフロー
- 他社借入件数
- 他社借入の返済履歴
- 税金の滞納の有無
などが審査されます。
審査基準その4.ファクタリング利用会社の経営者の誠実さ
前述した通りで、2社間ファクタリングの場合は
売掛先 → ファクタリング利用会社 → ファクタリング会社
という流れで資金が入金されます。
ファクタリング利用会社の経営者に誠実さがないと
ファクタリング会社に本来しはらなければならない売掛金を
- 他の借入の返済に使ってしまう
- 他の支払に使ってしまう
- 従業員給料や納税に使ってしまう
ということが往々にして起こりうるのです。
そのためファクタリング審査では
- 経営者の人格
- 面接での誠実さ
- 必要書類の不備がない
などの要素も重要な審査要件になるのです。
ウソをつく人や面談に遅刻する方が極端に嫌がられるのがファクタリング審査です。
審査基準その5.譲渡登記ができるかどうか?
譲渡登記ができれば、ファクタリング会社は第三者対抗要件を得ることができます。
「この売掛債権はファクタリング会社のものだよ。」ということを公的に証明することができるのです。
これがあれば、売掛金をファクタリング利用会社が他の目的使ってしまった場合にも、訴訟などの対応が取れるので、ファクタリング会社のリスクは小さくなるのです。
- 債権の譲渡登記ができること
はファクタリング審査では有利になるのです。
審査基準その6.調達希望額と売上規模のバランス
月商が100万円しかない企業が500万円の売掛債権の買取を希望するというのは、過去に例のない取引ということを意味します。
前例のない取引ほど
- 売掛先が倒産してしまうリスク
- ファクタリング利用会社が倒産するリスク
- サービスや商品の納品に問題が出て、売掛金が入金されないリスク
などが発生してしまうのです。
調達希望額と売上規模のバランスも重要なファクタリング審査の要件となります。
調達希望額が月商の半額以内であれば、ファクタリング審査の評価はプラスになると言えます。
まとめ
ファクタリング審査では
- 売掛先の信用
- 入金までの日数
- ファクタリング利用会社の信用
- ファクタリング利用会社の経営者の誠実さ
- 譲渡登記の可否
- 調達希望額と売上規模のバランス
などが重要な審査基準となってきます。
審査をする項目というのは、ファクタリング会社にとってリスクを判別する項目ですので、シビアにチェックされる部分です。
ファクタリングを利用する前に、どんな項目が審査され鵜のか?頭に入れておくと良いでしょう。とくに「経営者の誠実さ」という経営数字に表れない部分も、かなり重要視される審査項目ですので、虚偽の申告や面接時間の遅刻などは極力避けなければならないのです。