会社の売上が伸びている時こそ「黒字倒産」のリスクが発生します。今回は「黒字倒産の危機はファクタリングで回避する」について解説します。
黒字倒産とは?
黒字倒産とは
損益計算書(PL)上で利益が出ている黒字の状態にも関わらず、資金がショートし、倒産してしまうこと
を言います。
どうして黒字倒産が発生するのか?
ビジネス上の取引は信用取引が採用されていて、多くの企業のBtoB取引は、売掛債権で取引をする「掛取引」が採用されています。
掛取引の場合は、一般的に「末締めの翌月末払い」「末締めの翌々月末払い」での請求になるため、1ヶ月~2ヶ月ほど入金されるのにタイムラグが発生するのです。
これが売掛債権でなく、手形だとしたら、6か月後の入金というのも少なくありません。
例を挙げて考えてみると
- 販売店A社
- メーカーB社
- 部品メーカーC社
があった場合、メーカーB社は販売店A社に商品を販売して売上を立てていたとします。
1月にメーカーB社は1億円の大量受注があり、商品を販売店A社に納品しました。商品の検収が完了し、無事納品が完了し、1月末に1億円の請求書を販売店A社に送りました。
しかし、販売店A社からメーカーB社へ入金されるのは3月末日です。
商品を生産するために必要な部品を調達していた部品メーカーC社への支払は2月末日に5,000万円です。
メーカーB社は現在預金(流動資産)が3000万円しかありません。
2月末日の時点で2000万円の赤字が発生し、債務超過倒産となります。
損益計算書(PL)上では
- 売上:1億円
- 原価:5000万円
- 利益:5000万円
ですから、5000万円の黒字になっているのにも関わらず、支払いが先で入金が後になってしまっているため、資金がショートし、倒産してしまうのです。
このように経営上、売上が伸びることはとても良いことなのですが、売上が伸びれば伸びるほど、資金繰りに必要な資金というのは増加してしまいます。
財務がきちんとしていれば、売上の増加を見こんで、銀行から追加の融資を受けるなどして、資金のショートを事前に回避するのですが、中小企業で財務担当がおらず、経理が延長上で資金繰りを見ている会社などは、ここの資金繰りのマネージメントがおろそかになり、黒字倒産してしまうのです。
急激な売上増加は黒字倒産のリスクを招くのです。
黒字倒産の危機はファクタリングで回避する
前述した例で、仮にメーカーB社がファクタリングを利用して、販売店A社への売掛債権1億円をファクタリング手数料10%で譲渡していたとしたら
2月の時点で9000万円のキャッシュ+元々持っていた3000万円のキャッシュ、合わせて1億2000万円持っていることになります。
2月末の部品メーカーC社への支払5000万円もなんなく、支払えるのです。
「ファクタリングを利用しなければ、1億円入ったのに9000万円に減ってしまった。」と嘆く経営者もいるかもしれませんが、倒産するよりも何十倍もましなのです。
売上が急上昇して資金繰りが悪化し、資金ショートによる債務超過が懸念される場合はファクタリングを利用して、売掛債権を譲渡し、早期に資金化する方法が非常に有効なのです。
まとめ
売上が急激に上昇すると、資金繰りが悪化し、黒字倒産のリスクが高まります。資金ショートが見込まれる場合は、ファクタリングを使って売掛債権を譲渡し、早期に資金化することで黒字倒産のリスクを回避できるのです。