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「ファクタリング会社ってどこも名前の知らない中小企業だから、悪徳業者かどうか?見極められないんだけど。」
こう考える経営者の方は少なくありません。ファクタリングというサービス自体は売掛債権を早期に資金化できるため、経営上資金繰りの改善に役立つサービスなのですが、大手の銀行や金融機関は貸金業法との兼ね合いで導入を見送るところがほとんどだからです。では、どうやって悪質なファクタリング会社を見極めれば良いのか?その方法とポイントを解説します。
その1.相見積もりの上、ファクタリング手数料で判断する!
ファクタリング手数料が高いファクタリング会社が悪質かというとそうではありませんが、法外に高いファクタリング手数料を設定する会社は、悪質なファクタリング会社と考えて良いでしょう。
しかし、どのファクタリング会社でも、ファクタリング手数料は審査次第で、開示されたとしても○○%~○○%となっているため、結局いくらなのか?は見積もりを取ってみないことにはわかりません。
ファクタリングの申込みは、色々な書類を提出しなければならないため、複数社に相見積もりをすることは少なからず手間になってしまうのですが、それでも、2社、3社には相見積もりをすべきなのです。
3社に相見積もりをすれば
- 自社の状況
- 自社の提示する売掛債権の内容で
「いくらのファクタリング手数料が妥当なのか?」やっと比較検討ができることになるのです。
ファクタリング手数料の相場は
- 3社間ファクタリング:5%~10%
- 2社間ファクタリング:10%~20%
ですが、これも審査次第なので、相場との比較だけで決めるのではなく、相見積もりをすることで悪徳業者を排除することが有効になるのです。
その2.売掛債権担保融資をすすめてくる業者は断る!
ファクタリングというのは「売掛債権の買取」サービスです。
売掛債権の買取ですから、貸金業法で規定される「貸金」には該当しません。
しかし、売掛債権を担保にした融資「売掛債権担保融資(売掛債権担保ローン)」の場合は、貸金業法に規定される「貸金」サービスですので、法定金利や貸金業者としての登録が必要になるのです。
ニュースになったファクタリング業者の逮捕事件も
貸金業の登録をしていないのにもかかわらずに、ファクタリングサービスで勧誘したうえで、実際には売掛債権担保融資を行っていたことが要因になります。
結局、ファクタリングは「債権を売る」だけのサービスですから、その後の取引は発生しないのですが、売掛債権担保融資であれば「返済を迫られる」「大きな利息支払いが発生してしまう」「悪徳業者」というリスクがあるのです。
ファクタリングとして申込んだのに売掛債権担保融資をすすめてくる業者は、悪徳業者の可能性が他愛ので速やかに断りましょう。
その3.契約書の内容をチェックする
ファクタリングを実行するためには売掛債権譲渡契約書 or ファクタリング取引契約書を締結します。
ファクタリング取引契約書では
- 契約の対象とする売掛債権の詳細(債権の種類、債権額、債権の発生日、弁済期日)
- ファクタリング手数料
- 売掛金の支払方法
- 買取金の支払方法
- 譲渡通知の有無
- 償還請求権の有無
- 遅延損害金
- 報告義務
- 免責事項
・・・
など、詳細の情報が明記された契約書を締結することが一般的です。
- ファクタリング契約書を交わさない
- ファクタリング契約書の内容がほとんどない
- 契約前にファクタリングの契約書を一度持ち帰って検討するといったら拒否された
ファクタリング契約書の内容に疑義がある
という場合には、要注意です。
まっとうなファクタリング会社は、契約書も丁寧に作られていて、契約前にひな形を見せてほしいといっても、見せてくれるものなのです。
その4.確認する書類が少ない
基本的にファクタリングサービスを利用するときにファクタリング会社の審査というのは、それなりに慎重に行われるものです。
- 謄本
- 印鑑証明
- 決算書
- 確定申告書
などは当然のものなのですが、売掛債権の存在を証明する書類として
- 売掛先企業との基本契約書
- 発注書
- 納品書
- 請求書
- 過去の取引の入出金が確認できる通帳
などが必要になるのです。
これらを確認しておかないと
- 架空の売掛債権を譲渡されたり
- 意図的に売掛先とグルになって売掛債権の譲渡後の計画倒産を計画されたり
してしまうからです。
ファクタリングを申込んだのに要求される必要書類が少ない場合には注意が必要です。とくに売掛債権を証明するための書類を要求されない場合は要注意です。
その5.来店不要でオフィスがない
一般的にファクタリング会社を利用するときには
「面談」が必要不可欠になります。
なぜかというと、2社間ファクタリングの場合は経営者が他の支払に入金された売掛金を使ってしまうリスクがあるため、ファクタリング会社と利用する経営者との信頼関係が重要になるのです。
実際に会って経営者と話をしないと、信頼できるかどうかの判断もできないのですから、まっとうなファクタリング会社は経営者に来店してもらって、面談してから契約するのが普通なのです。
- 来店不要
- オフィスへの来ることを拒絶する
ファクタリング会社は、怪しい可能性が高いのです。
まとめ
悪質なファクタリング会社を見極める方法は
- ファクタリング手数料が相場よりもかなり高い
- ファクタリング契約書を提携しない
- ファクタリング契約書の内容が簡素で不明な点が多い
- 面談をしない
- 確認すべき書類が少ない
等があります。
あくまでも、これはチェックポイントですので、これに該当するファクタリング会社がすべて悪徳業者ではありませんが、その可能性は高いので注意が必要です。