ファクタリングに大手企業が参入しない理由
ファクタリングは法律的に明確な定義がない
ビジネスローンや手形割引、クレジットカードであれば「お金を貸す」行為ですから、貸金業法の法律の範疇になるので貸金業者は登録が義務付けられています。
ビジネスローンの提供会社で
- 東京都知事(1)第12345号
- 関東財務局長(2)第01234号
という登録がなければ、それは闇金業者ですから、資金調達で利用してはいけないのです。
- 悪質な取り立て
- 法定金利を超えた高金利
など、利用する側のリスクも大きくなってしまいます。
一方で、売掛債権の買取をするファクタリングというサービスについては現在は貸金業には該当しないと考えられています。
償還請求権(売掛先が倒産したときの返済義務)があるのであれば、手形割引と近いものとして判断される可能性があるのですが、ファクタリング会社は償還請求権を放棄しているのです。
そのため「ファクタリングは貸金業ではない」という状態になっています。
そもそも、ファクタリングが貸金業と判断されてしまえば、年率18.0%以上の金利を受け取ることはできないので、ファクタリング手数料が20%というのもできなくなるのです。
ファクタリングは法律が追い付いていない宙ぶらりんな資金調達方法なのです。日本は手形による取引が主流であったため、最近になって登場したファクタリングの扱いを決めかねているといっていいでしょう。
法整備ができていない分、大企業はファクタリングサービスに大々的に参入しにくい環境になっているのです。
- 後から規制されるリスク
- 貸金業の免許停止などのリスク
があるため、参入に消極的であり、大企業の子会社でファクタリングを提供している会社があっても、ファクタリング手数料を開示していなかったり、3社間ファクタリングのみの提供であったり、リフォームなどの付加サービスとしてのサービス提供に留まっているのです。
ファクタリング会社の信用は度外視しても問題ない!?
「ファクタリング会社は怪しい会社がいっぱいあるから辞めておこう」というのも早計です。
そもそも、ローンと違って、ファクタリングは売掛債権を売って、売掛金を支払えればそれで取引は成立します。
ビジネスローンのように数年に及んで返済し続けるような取引形態ではないのです。早ければ1ヶ月で取引終了です。
信用しにくい小規模なファクタリング会社だったとしても
- ファクタリング手数料が安く
- 売掛債権の買取をしてくれれば
別に問題ないという考え方もできるのです。
まとめ
ファクタリングの場合は、基本的には経営者の面談審査があるので、訪問した際によほど怪しい印象を受けなければ、それほどファクタリング会社の規模や信用、知名度については考慮する必要がないのです。
ファクタリング会社を比較検討するときには、ファクタリング会社の信用よりも、ファクタリング手数料の安さと 入金までのスピードを重視することをおすすめします。そもそも、大手のファクタリング会社というのはないに等しい業種なのです。大手企業の子会社であっても、3社間ファクタリングのみというところがほとんどです。