ファクタリング売掛債権資金調達ガイド

ファクタリングを利用した場合に会計上の消費税の扱いはどうなるのか?

ファクタリングサービスに関するよくある質問・疑問について解説します。今回は「ファクタリングを利用した場合に会計上の消費税の扱いはどうなるのか?」に対する解説です。

Q.ファクタリングを利用した場合に会計上の消費税の扱いはどうなるのか?

A.ファクタリング手数料分の売却損は非課税取引となります。消費税はあくまでもファクタリングによる買取額分に対して課税されます。

ファクタリングを利用しない場合

100万円の商品を納入して、100万円の売掛債権が発生しました。
2か月後に100万円が入金さました。

これは通常の取引ですから、100万円が売上に計上され、すべて消費税の課税対象となります。

ファクタリングを利用する場合

100万円の商品を納入して、100万円の売掛債権が発生しました。
ファクタリングを利用しました。ファクタリング手数料は10%です。
90万円がすぐに入金されました。

という場合に

「ファクタリング手数料の10% = 売掛債権の売却損」分の消費税の扱いはどうなるのか?

という問題になります。

消費税というのは「課税資産の譲渡対価」にかかる税金ですから・・・

「売上債権の譲渡対価 = 90万円」には消費税は発生します。

しかし、「課税資産の譲渡対価」にはファクタリング手数料は含まれません。

「ファクタリング手数料分 = 10万円」には消費税は発生しません。

利益に対して課税される法人税と混同されることが多いのですが、あくまでも消費税というのは「譲渡額」に対して課税されるものですから、売掛債権であっても同様に譲渡した金額に対して消費税が発生します。割り引かれているファクタリング手数料分には消費税は発生しないのです。

言い換えれば、ファクタリング手数料分の消費税はファクタリング会社が支払うので、全体の税金額は変わらないことを意味するのです。

Q.平成26年3月に消費税法施行令等の一部改正がありました。

【改正前】金銭債権の譲渡に係る対価の額の全額を資産の譲渡等の対価の額(分母)に算入
【改正後】金銭債権の譲渡に係る対価の額の5%に相当する金額を資産の譲渡等の対価の額(分母)に算入

ファクタリングによる債権譲渡は、課税売上割合の計算上、上記を考慮に入れる必要はあるのでしょうか。

A.ありません。

「資産の譲渡等を行った者が当該資産の譲渡等の対価として取得したもの」はここでいう金銭債権から除かれています。

まとめ

ファクタリングを利用した場合は、ファクタリング会社の買取額にのみ消費税が発生すると考えましょう。